就業規則をうまく定めれば未然にトラブルを防ぐ事ができます。その例を見て行きましょう。
労働者の欠勤が長期に及ぶ場合に備えて、就業規則に休職規定を盛り込み、
休職の基準を明確にしておくことが必要です。
例えば、数日から数週間の労務不能の状態は通常の欠勤扱いで処理し、
欠勤が長期に及んだ場合には休職の取扱いにしてもよいでしょう。
休職は、労働者から申し出があった場合に手続きをとることもできますが、
休職の基準に該当した場合は会社からの休職命令とした方が、明確になるでしょう。
また、うつ病などの精神的な疾患を抱えた労働者の復職の判断はかなり慎重さを要する問題です。本人や主治医が復職可能と判断した場合であっても、慎重に対処した方がよいでしょう。復職判定については、会社の考え方を明確に就業規則に明記しておくことが必要です。
なお、うつ病などの精神的な病気の原因が、業務に関係する場合には、私傷病の取扱いとは異なり、休業期間及びその後30日間は解雇することができないことに注意をしてください。
具体的には、職務の内容が正社員と同一であったり、
期間の定めのない雇用契約や常に契約の更新をしており、
雇用期間を定めていない実態にある場合や、正社員と同様の配置転換があり得るパート労働者は、パート労働者であることを理由に、賃金や福利厚生などの待遇について、
正社員と差別することを禁止しています。
事業主は労働者に、定年年齢の引上げ、定年の廃止、継続雇用制度の導入の
いずれかの対策をとるように法律で義務づけています。
継続雇用制度を導入し、正社員とは別の労働条件により雇用する場合は、
継続雇用者を対象とする正社員とは別の就業規則を作成して運用することが必要です。
また、再雇用を希望する者の全員を対象とすることが原則ですが、
労使協定により対象の基準を定めて基準に該当する労働者のみを対象とすることができます。なお、労使協定により定めることができないときは、
一定の期間までは就業規則に再雇用者の基準を定めることができることになっています
(企業の基準による。)。
これらの場合には、再雇用者の基準をどのように定めるかがポイントになります。
法令や就業規則の記載だけでは解決できない部分がありますが、
現実的な対応として、以下のような方策が考えられます。
1. 労働者と協議し、退職日を本人の希望日より後の日に変更して、引き継ぎの期間を確保する、
2. 所定の休日に出勤命令を出して、業務の引き継ぎの日を確保する。
いずれの場合でも、会社の対応として年次有給休暇の取得を拒んだり、
出勤日を一方的に決定し、労働者に押しつけることがないように、
誠意を持って協議をすることが大切です。
仮に就業規則の解雇事由として「態度不良」、「能力不足」と定めていても、
労働者に「態度」の改善の機会を与えることと、
労働者の改善努力の経過を評価することも必要であり、
また「能力不足」については「著しい能力不足」を客観的に判断できることが必要になります。
いずれにしても、解雇権の濫用にならないように、慎重に対応することが肝要です。